先日、柔術の道場でキッズクラスに参加している生徒さんが「前屈ができない」と言って見せてくれました。
頑張っているけれど確かに浅い。
「どうすればいいですか?」と聞かれたのでちょっとしたポイントを教えてあげました。
「腰を曲げて前屈をしようとするから出来ないんだよ、足の付け根から前屈してごらん」と、足の付け根あたりに手を置いて、その部分を意識しやすいようにフォローしてあげたら驚くほど前屈の深さが深くなっていました。
それを見た大人が「同じようにやっているのにできないんですけど…」と四苦八苦。
子供は往々にして関節が柔らかいので、コツを教えてあげるとできる事が多いのですが、関節が固くなってしまった大人は…。
ということで、今回は股関節回りの柔軟性を高めるケトルベルトレーニング種目を紹介したいと思います。
ケトルベル・コサックという種目です。
股関節回りを柔軟にする効果は?
股関節回りを柔らかくする効果は多くあります。
様々な効果がある中で、いくつか挙げると
- 怪我のリスクの低下・競技力の向上
- 姿勢の改善
- トレーニングの質の向上
等が挙げられます。
怪我のリスクの低下・競技力の向上
どんなスポーツにおいても言える事ですが、上半身と下半身はバラバラに動くわけではありません。
下半身の力を上半身に伝える、上半身の力を下半身で受け止めるなど、上半身と下半身をつなげる役割の多くは、股関節が担っています。
股関節の柔軟性が低いと、その連携動作が上手くいかず、不自然な動きになってしまったり、スムーズに動けません.
それが原因で怪我につながるリスクがあります。
逆を返せばその連動をスムーズにすることで上半身と下半身の連動がスムーズにでき、力を伝える、受け止めることができるようになりスポーツ等における競技力の向上にもつながります。
姿勢の改善
私も気にしてはいるのですが、座り仕事が多い方は特に気になる姿勢の悪さ。
座っている姿勢が多いと、内転筋の働きが弱くなったり、股関節が固くなります。
これにより、O脚、反り腰などにつながります。
姿勢が悪くなると腰痛などにもつながるので、気になるところ。
股関節回りの柔軟性を高める事で姿勢の改善にもつながります。
トレーニングの質の向上
以前、股関節の可動性を改善するストレッチに関する記事を書きました
スクワットやデットリフトなど、股関節回りをよく使う動作においては、股関節の柔軟性や可動性によって結果は大きく異なります。
深くしゃがんだり効率よく動かせるようになるだけで結果が良くなる事や使用重量が上がる事などが期待できます。
股関節回りの柔軟性を高める!ケトルベル・コサック!
コサックというとコサックダンスをイメージしますが、イメージほど激しい動きではなく、ケトルベルを保持した状態で伸脚を行う、といった方が正しいかもしれません。
ケトルベルを胸前で保持した状態で腰を落とす

ケトルベルのハンドルの側面を持ちます。
球体部分は下に向けて持ちましょう。
足幅は無理のない範囲で大きく開き、腰を深く落とします。
ケトルベルを保持した状態で伸脚を行う
左右に伸脚を行います。 ケトルベルの重さでバランスを取りましょう
左右に伸脚を行いますが、右から左へ行く場合は一度スタートポジションの姿勢に戻ってから行うようにしましょう。
深く伸脚するとバランスを取るのが大変…と思われる方も居るかもしれませんが、ケトルベルを胸前で持ち、ケトルベルの重量でバランスを取るように意識をしましょう。
左右で1回として、10回×3セット程度行いましょう。
股関節の可動の多いトレーニングの前に股関節回りのウォームアップ種目として取り入れると良いでしょう。
ケトルベル・コサックの効果
ケトルベル・コサックは股関節回りの柔軟性や可動性を改善する以外にもバランス能力の向上という効果もあります。
深く腰を落とした姿勢から、さらに伸脚、またスタートポジションに戻って反対側で伸脚。
これをスムーズにバランスを崩さないで行うのは大変です。私も最初の内は後方に尻もちをついたりしました。
しかし、コツをつかんでバランスが取れるようになってくると意外と簡単にできるようになります。
深くしゃがんだ姿勢や体勢を低くする際のバランスのとり方の感覚を養うのにも良い種目です。
スポーツに取り組んでいる方に強くお勧めしたいトレーニングですね。
ケトルベル・コサックの注意点
ケトルベル・コサックの注意点は無理のない可動域で行う事です。
ケトルベルの重量につられて体を落とす方向に力が入ります。
股関節が固い方は急激に力がかかり、怪我につながる事もありますので、無理のない可動域で、コントロールしながら行うことに注意しましょう。
いかがだったでしょうか。
股関節回りの柔軟性はスポーツ、トレーニングに励む方には意識していただきたいところ。
ストレッチや可動域改善のトレーニングをあまり行わないという方であっても、股関節回りのストレッチは取り入れていただきたいところ。
是非ご検討ください。
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