私は元々、ブラジリアン柔術に取り組む前はキックボクシングをやっていました。
今でも時々やらないと勘が鈍るため、ミットやサンドバッグを叩いたりする機会もありますが、本格的な練習から離れているためか、昔より下手になったと感じます。
私が指導する生徒さんの中にも、様々な競技を行う方がいますが、時々聞かれるのは「パンチ力ってどうやったら上がるんですか?パンチ力にかかわる筋肉の部位ってあるんですか?」と聞かれます。
打撃はセンス、と言われる面もあるため、単純に「パンチ力」と括られると回答に困るところですが「パンチをするときの動作を考えると、パンチ力にかかわる筋肉がどこかもわかるよ」と答えております。
パンチ力には前鋸筋が関連している!
パンチを打つ動作を振り返ってみましょう。
パンチ動作においては、腕を前方に振りだします。しかし、この時肩から先の腕だけを伸ばすパンチはいわゆる「手打ち」のパンチとなってしまい、威力は高くありません。
強いパンチは肩自体が前方に振りだされ、肩甲骨を前に押し出すような動きとなります。
ボクシングやキックボクシングの試合のスロー映像などでは、この動きをよく観察することができますね。
この、肩や肩甲骨を前に押し出す動き(=パンチ動作)をするのに動かしているのが「前鋸筋」です。
前鋸筋の位置は大胸筋下部から脇のあたりにかけて、大胸筋の下に入り込んでいるあまり目立たない筋肉です。
漫画などにおけるマッチョ系のキャラクターでは大きく目立つように描写されていることが多い、胸筋下部から脇のあたりのボコボコした筋肉です。
前鋸筋はあまり大きくは見えませんが、実は大胸筋の70%くらいのボリュームがあり、大きな力を発揮することができる筋肉で、機能としては先述した通り、肩甲骨を前側に引っ張る動きをします。
パンチにおける前鋸筋の動作
パンチ動作で前鋸筋が動く局面はどのような局面でしょうか。
パンチにおいて、前鋸筋はパンチの打ち始めと打ち終わりの2回動作します。
- パンチの打ち始めにおいては、腕を肩から振り出す動作
- パンチの打ち終わりにおいては、当たった後、肩でフォローを入れ、打ち込む動作
上記の2点の動作を行う際に前鋸筋は大きく動いています。
当然、他にも多くの部位との連動があってパンチ力は決まりますが、パンチを打つ動作においては非常に多くの役割を担っていることがわかります。
それと前鋸筋がしっかり鍛えられていると胸筋下部のボリュームやメリハリがついて、カッコイイ体つきになりますね。
前鋸筋を集中的に鍛える!ケトルベル・ショルダーブレイドプレス!
前鋸筋にフォーカスして鍛える種目はケトルベルトレーニング種目でもあります。
それがケトルベル・ショルダーブレイドプレスです。やり方を解説していきます。
肩を地面などにつけた状態から、ケトルベルを挙上する。
床に寝転がる、またはベンチなどに肩を乗せた状態でケトルベルを肩のあたりに置いた状態からスタートです。
肩の真上あたりに挙上します。
肘は曲げずに、しっかりと伸ばすようにしましょう。
肩甲骨を上下(前後)に動かす。
寝た状態なので上下と書くのが正しいでしょうか。
肩を押し出すようにして、しっかりと肩甲骨を動かします。
上記動作10回を左右行って1セットとして、3セット程度行うと良いでしょう。
いかがだったでしょうか。
ここまで書いておいて、こんなことを書くのもアレですが、パンチ力を鍛えるのであれば、当然サンドバッグを叩いたり、ミットをたくさん叩いて当てる感覚を養った方が良いです。
最初の方にも書きましたが、パンチを打つだけであれば誰でもできますが、強いパンチを打つためには体の各部位の連動が重要で、特定部位の筋肉のみがかかわっているわけではないからです。
技術練習などをしっかりやったうえで、さらに強いパンチ、上を目指すのであればこういったトレーニングも役に立つかと思います。
ぜひ、トレーニングメニューに加えてみてください。
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