ウェイトトレーニングを行っていると、重いウェイトを持ちあげる事にこだわる方も多いかと思います。
トレーニング効果の面でも、扱える重量を重くすることができれば、それだけ筋肉に入る刺激も大きく、より効率的にトレーニング効果を得られるケースが多いです。
無理に高重量を扱う必要はありませんが、大きな重量を扱えると成長が実感できて楽しいですしね。
特に、以前紹介したミリタリープレスにおいては、バーベルやケトルベルを頭上に挙上する見た目も相まって、より高重量にチャレンジしたいという方もいるかもしれません。
今回はミリタリープレスと似た動作ですが、ミリタリープレスと比較して高重量を挙上するプッシュプレスの解説をしたいと思います。
ケトルベルを用いたミリタリープレスとプッシュプレスの違い、効果は?
先述した通り、今回紹介するプッシュプレスは動作自体はミリタリープレスとよく似ています。
しかし、決定的に違う点が2点あります。
- 反動を使う
- ケトルベルを挙上した際の力の向き
上記の2点の違いがあります。
反動を使う
ミリタリープレスと比較してわかりやすい違いは、ラックポジションから挙上するのに反動を使うことです。
膝と胴体を少し曲げ、伸展する反動を用いて一気に挙上します。
これによりミリタリープレスでは挙げることができない重量(女性で16㎏、男性で32㎏など)を、プッシュプレスにおいては挙げることができます。
ケトルベルを挙上する際の力の向き
ミリタリープレスとプッシュプレスのフィニッシュポジションの写真を見比べてみましょう。
プッシュプレスのフィニッシュは荷重が体へ直線的。体の肩や腕以外にも、体幹部に刺激が入ります。 ミリタリープレスは肩、腕に効く荷重のかかり方。
ミリタリープレスのフィニッシュポジションではケトルベルを持った側の肩は下げるフォームのため、上腕は頭部から離れ、肩や腕でケトルベルの重量を支えています。
これにより、主に三角筋、上腕に効きます。
一方、プッシュプレスは挙上した際に伸ばした腕は耳の横あたりに来ています。
重い重量を肩や腕のみで支えることは非常に難しいですが、肩と腕の位置関係を垂直方向で一直線にすることで、全身で重量を受け止め、支える事が可能です。
プッシュプレスの効果は「体の土台を作る」事!
プッシュプレスは動作から、肩や腕に効くイメージを持たれるかもしれません。
もちろん、プッシュプレスと同様に三角筋や上腕三頭筋脚にも刺激は入りますが、胴体の屈伸を積極的に用いて挙上するため、大腿四頭筋・大殿筋・腹筋にも刺激が入ります。
そして、効率よく体を動かす、連動性も養うことができます。
反動を使ってヘビーウェイトを挙上しよう!ケトルベル・プッシュプレスのやり方!
プッシュプレスは効果が非常に高く、スポーツなどにおいてもメリットが多い種目です。
しかし、フォームの習得は比較的難しいため、しっかりとフォームを作ってから取り組みたい種目でもあります。
では、やり方を解説していきます。
ラックポジションにケトルベルを構え、軽く膝を曲げる。
クリーンを行い、ラックポジションに構えます。 軽く膝を曲げて、挙上の準備をします。
比較的高重量を扱うため、クリーンを行ってラックポジションに構えた状態からスタートします。
クリーンのフィニッシュ(ラックポジション)においては両膝は伸びた状態ですが、ラックポジションから挙上するために軽く膝を曲げます。
膝を伸ばしながら、ケトルベルを一気に挙上する。
爆発的に膝を伸ばしながら挙上していきます。 フィニッシュ姿勢では腕が耳の横に来る位置にきます。
体幹部に力を入れながら膝を伸ばし、ケトルベルを一気に頭上に挙上します。
この時、ケトルベルを肩から真上に直線的に挙げるイメージで挙上しましょう。
フィニッシュポジションでは上腕は耳の真横あたりに来る状態です。
挙上したケトルベルを下ろす。

挙上したケトルベルをラックポジションに戻します。
この時、下ろすタイミングで膝を軽く曲げて、衝撃を膝で吸収するようにしましょう。
片側当たり5~10回、左右で2~3セット程度行うと良いでしょう。
ミリタリープレスでは5~10回出来ない重量であっても、反動を用いて行うプッシュプレスでは行う事ができるかと思います。
ケトルベル・プッシュプレスの注意点
ミリタリープレスや他のケトルベルトレーニング種目と比較して、非常に重いウェイトを使うトレーニングです。
無理のない重量設定で行う事と共に、気を付けたいのは膝の動き。
膝を伸展させる反動を用いて一気に挙上し、ケトルベルを下ろす衝撃を膝で吸収します。
このタイミングがずれると上手く挙上できないばかりか、怪我にもつながります。
少し軽めのケトルベルで十分に反動を使う事と、衝撃を吸収する膝の動きを練習してから行うと良いかと思います。
いかがだったでしょうか。
高重量を一気に挙上する動作を繰り返す、非常にハードな種目ですが、その分全身に強い刺激が入る種目です。
競技力向上のため、全身のトレーニングのため、非常に有用なトレーニングですので、ぜひメニューに加えてみてください。
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