スポーツを行う上で競技練習に打ち込むことは当然のことながら、フィジカル面でのトレーニングが重要とされているのは皆様ご存知の通りです。
フィジカル面でのトレーニング、というと非常に幅が広い話になってしまいますが、一般的にはウェイトトレーニングのようなトレーニングをイメージされる方も多いかと思います。
しかし、多くのウェイトトレーニング種目のように一つ(一部位)の筋肉にアプローチするトレーニングでは体のバランスを崩して、逆に競技パフォーマンスが落ちてしまうケースもあります。
これが良く言われる「競技で使う筋肉は競技で養うべき」だとか「筋トレでつけた筋肉は使えない筋肉」という話につながってしまいます。
「筋トレでつけた筋肉は使えない筋肉」論について書いた記事は下記の記事です。
さて、そこで登場するのはファンクショナルトレーニングという考え方です。
ファンクショナルトレーニングの考え方は一つの筋肉に対するトレーニングとは違い、ケガの予防やリハビリ、パフォーマンス向上等「機能動作」の習得をするためのトレーニングです。
今回はそんなファンクショナルトレーニングの種目のうちの一つ、「ケトルベルクロール」を紹介したいと思います。
まずは基本の「ダックウォーク」のやり方から!
ケトルベルクロールを行う前に、ケトルベルクロールの基礎としてダックウォークを行いましょう。
ダックウォークは比較的有名なトレーニングで、様々なスポーツ種目において、アップや補強で取り入れられているため、やったことがある方もいるかもしれません。
ケトルベルクロールもダックウォークに近い動作ですので、まずダックウォークのやり方を解説したいと思います。
背中をまっすぐに保った状態で踵を挙げ 、腿が床に並行になるように腰を下げる
背中を丸めてしまいと下背部に負担がかかり、痛める可能性があるため、すべての動作を通して、背中はまっすぐに保つようにしましょう。
そして背中は極力真っすぐを保った状態で腰を下げていきます。
この時に膝が床と平行になるようにしましょう。
腰を下げた状態をキープして歩行する。
上記の状態をキープした状態で歩きます。
大腿部、カーフ、体幹部に刺激が入る事がわかるかと思います。
歩き回れるスペースがあれば10メートル程度歩くのを2~4回繰り返しましょう。
ダックウォークに慣れてきたらいよいよ「ケトルベルクロール」へ!
ダックウォークをやっていくと脚の筋持久力が高まるのと同時に「力を入れた状態でも動く」と言う動作が鍛えられます。
スポーツ競技などにおいてはこの「力を入れた状態で動く」というシーンが多くあり、また、そのような状態でも動ける体を作る事でより競技パフォーマンスが向上します。
ダックウォークに慣れてきたらワンランクアップするために、今回の本題「ケトルベルクロール」を行います。
「ケトルベル」クロールと名前はついていますが、ダンベルでもバーベルでもできるトレーニングですので、ケトルベルが無い方でも取り組めます。
簡単に言えば先ほどのダックウォークをケトルベル(ダンベル。バーベル等)を持った状態で腰を落とし、歩くことでダックウォーク以上にバランス能力や体幹部の強化、前述した「力を入れた状態で動作する、爆発的な動作」を強化する事ができます。
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やりこむことで競技パフォーマンス向上のほかにも、バーベルスクワットやデッドリフト等の種目パフォーマンスを向上する事が期待できます。
ケトルベルクロールのやり方
基本的にダックウォークと変わらないと書きましたが、細かなディテールに違いがあるため、解説していきます。
背中を真っすぐに保った状態でウェイトを担ぐ
ケトルベル、ダンベルの場合は胸の前持ちます。バーベルの場合は僧帽筋の上部に担ぎます。
体勢をまっすぐに保つようにしましょう。
この時、ダックウォークより深くしゃがみます。
深くしゃがむことで腰への負担を減らすのが目的です。
体幹部にしっかりと力を入れて深くしゃがみ、歩行する。
姿勢をキープした状態で歩きます。
ダックウォークと同様、歩き回れるスペースがあれば10メートル程度歩くのを2~4回繰り返しましょう。
ケトルベルクロールの注意点
ウェイトを持つと体が前傾したり後傾したりしがちですが、キープする事でダックウォークと比較してさらに体幹が鍛えられます。
体を真っすぐにしないとか下背部を痛める可能性があるため、体幹部に力入れ、体をまっすぐにキープしましょう。
また、比較的安全なトレーニングではありますが、膝に負担がかかるトレーニングです。
最初は軽めのウェイトで行い、徐々に負荷を上げるようにしましょう。
いかがだったでしょうか。
途中でも書きましたが、体に力を入れた状態で動作するのは競技者としては大切な能力ではありますが、習得するのは大変。
ダックウォークやケトルベルクロールを行うことで養うことができ、競技パフォーマンスをアップする事ができるので、ぜひトレーニングメニューに加えてみてください。
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